野宿生活者について

 皆様、こんにちは。くろさかなです。初めましての方は初めまして。今回は、野宿生活者について、私の感じることや考えることを書いていこうかと思います。あまり理解していただけないかもしれませんが、私くろさかなの考えとして、1つの考え方としてでも受け取っていただければ幸いです。

 

 

f:id:kurosakana:20190703104203p:plain

 野宿生活者とは?

 皆様は、野宿生活者と聞くとどのような人を思い浮かべるでしょうか。文字通り野宿しながら生活をしてる人、野宿が好きな人、もしくは、知らない、イメージがわかないという人もいるかもしれません。私が今回書こうとしている野宿生活者とは、言葉は悪いですが「ホームレス」と呼ばれる人たちです。こういった人たちが、今の世の中ではあまり理解されていないように感じたので、今回はこの記事を書いています。ちなみに、なぜ私が野宿生活者という表現を使うのかというと、ホームレスという言葉がある種差別的なものに感じるからということと、野宿であってもしっかりと生活しているからという2点が理由です。

 

f:id:kurosakana:20190703104733p:plain

 野宿生活者のイメージ

 皆様は、野宿生活者について、どのようなイメージを持っていますか?「汚い」「怖い」「危ない」「怠け者」そんなイメージを持ってしまっている人も多いのではないでしょうか。しかし、それは間違いです。汚いというイメージがあったとしても、野宿生活者も入浴する権利があります。洗濯する権利があります。家がなくても、銭湯やコインランドリーなど清潔に保つ手段はあります。もちろん、収入が安定しているわけでも、生活に余裕があるわけでもありません。なので、毎日とはいきませんが、決して汚くありません。

 怖い、危ないというイメージも、もちろん間違いです。野宿生活者の多くは、案外気さくに話してくれます。また、少ない収入で買ったパンやお菓子を快く子どもにあげるという場面も見られます。しかし、そんな彼らの気さくさ、優しさを私たちは無下にしているのではないでしょうか。野宿生活者に対して「怖い」「危ない」というイメージを持っていると、自ら話しかけようとすることって少ないですよね。話しかけられても何となく避けてしまうという人もいるのではないでしょうか。しかし、そうして会話を避けていては、どれだけ気さくな人であっても気づくことはできません。また、野宿生活者を見て、親が子どもに「あぁなりたくないならちゃんと勉強しなさい」と言う場面も見られると思います。子どもが野宿生活者に何かをもらっても、危ないから近づいてはいけない、とか返してきなさい、捨ててきなさいと言うこともありますよね。野宿生活者の方は何も危害を加えていないのに、むしろ善意で子どもにプレゼントしているのに、勝手なイメージだけで彼らを否定してしまっているのではないでしょうか。

 怠け者というイメージ。これも全くの間違いです。野宿生活者の方々は生きることをあきらめていません。彼らなりに生きていこうと努力しています。今の時期であれば、もう辺りが少しずつ明るくなってくるような時間。野宿生活者の方々は働いています。皆様は、自転車に乗って大量の缶を集めている人を見かけたことはありませんか?あれは、野宿生活者の方々にとって、貴重な収入源となる仕事です。空き缶を集め、それを買い取ってもらって収入を得る。そして、その仕事が終われば休めるのでその時間を利用して睡眠をとります。その、睡眠をとっている時間しか知らないと、朝から寝ている、怠け者だと感じてしまうのではないでしょうか。夜勤の人が、家に帰ったら睡眠をとる。これは何もおかしいことではありません。家で睡眠をとる人は働いている人で、野宿で睡眠をとる人は怠け者。これは、ある種の差別なのではないでしょうか。

 また、野宿生活者の方々にも、日雇いの仕事で収入を得ている人もいます。横浜市の寿町では、その傾向が強いです。日雇いで収入を得て、その収入でその日を生きる。余裕があれば「ドヤ」という簡易的な部屋に泊まり、別のことに使いたければその日は野宿で夜を明かす。そんな人たちが、本当に怠け者でしょうか。日雇いといっても、雇える人数は無限ではありません。日雇いでの労働に漏れれば、その日は手元に残ったお金で乗り切るしかありません。そんな生活の中で、安いお酒を買ったり、食べたいものを買うことは、何も悪いことではありませんよね。自分が日雇いで稼いだお金で何を買っても、誰かに文句を言われる筋合いはないはずです。それなのに、贅沢だと言われてしまうのは理不尽ではないでしょうか。

 

f:id:kurosakana:20190703185429p:plain

 野宿生活の辛さ

 皆様は、野宿生活と聞いてどのようなイメージを持ちますか?某無人島サバイバルを思い出される方もいるかもしれません。あれに近いようなイメージを持っている場合、それは大きな間違いです。あの番組で楽しそうにサバイバルができているのは、仲の良い相方がいるから、多くの道具があるから、そして野宿をする日時が決まっているからです。野宿生活者の多くはそうではありません。生活しているうちに、気の合う仲間は見つかるかもしれません。しかし、魚を獲ったり食材を捜し歩いたりするには、道具がありません。そんなことができる体力が残っている人もわずかです。道具を買いそろえるほどの金銭的余裕もないかと思います。そして何より、野宿の期間なんて決まっていません。いつまでも野宿。そんな不安が常に胸の内にあります。その日を生きるのに精いっぱいで、楽しむ余裕なんてありません。

 私も野宿の経験はありますが、とても楽しいと言えるものではありませんでした。特に冬は厳しいです。真冬の夜、外は寒いですよね。そんな中で眠るというのは、とても危険です。眠っている間に体温は下がっていくので、起きるころには体が冷え切っています。とてもじゃなくても、段ボールでしのぎ切れるようなものではないです。私は、初めて野宿をした際に体温の低下で体の危機を感じたので、それ以降は夜の間に休みながら体を動かし、日中の日差しが出ている時間に体を休めました。ただ、日雇い労働の方々はそうはいきません。収入を得るためには働かなければなりません。まともな休眠もとらずに働くのは危険です。凍える寒さの中で体を休めて働く、死と隣り合わせの生活です。寒さに耐えきれずに凍死してしまった例もあります。

 野宿生活者の方々の辛さは、それだけではありません。野宿生活者の方々が恐れているのは、襲撃です。恐ろしい響きですよね。野宿生活者の方々を襲撃するのは、軍隊でも警察でもありません。地元の学生です。地元の学校に通う学生が、付近の野宿生活者を襲撃したという事件が実際に起きています。こういった事件は、不良や馬鹿な奴らがやったんだと思われがちですが、必ずしもそうとは言い切れません。ある一件では、野宿生活者を襲ったのは、学校でも成績優秀な好青年でした。彼1人の犯行ではないですが、彼は望んで野宿生活者を襲っていました。もちろん、彼が実は不良で、好青年のふりをしていたというわけではありません。彼は、野宿生活者を襲った理由として、「世直し」のためだと言っていました。襲われた野宿生活者の方は、その地域で犯罪を犯したわけでも、何か良からぬことを企てていたわけでもありません。ただ、そこで生きていたのです。生活していたのです。本当に危ないのはどちらでしょうか。

 最後に

 皆様は、野宿生活者の方々がどうして野宿生活をしているのか、理解していますか?ほとんどの方はこう言うのではないでしょうか。「自業自得だ」と。野宿生活者の方々も、「こうなったのは自業自得だ」と言います。しかし、本当に自業自得なのではありません。会社が倒産した、大きな怪我をした、病気にかかった、様々な理由で働けなくなり、家賃を払うことができなくなり、野宿を余儀なくされた人々ばかりです。果たして、それは本当に自業自得でしょうか。働けなくなるほどの大けがや病気。それは本人の自己努力だけで防げたものでしょうか。会社の倒産は、労働者が防げたことでしょうか。ならばなぜ、野宿生活者は自業自得と言うのか。彼らにはもう、自分たちの怒りをぶつける相手がいないのです。やり場のない怒りや悲しみは、自分に向きます。彼らは、決して望んで野宿生活者になったのではありません。どうにもならない悔しさ、やるせなさ。それが自責の念となっているのです。

 そんな、野宿生活者の方々が、本当に「怖い」人でしょうか。その日を精いっぱいに生きる野宿生活者の方々は、本当に「危ない」人でしょうか。頑張って缶を集めたり、日雇いでの労働で稼いでいる野宿生活者の方々は、本当に「怠け者」でしょうか。今一度考えていただけないでしょうか。野宿生活者の方々を、差別的、偏見を持った目で見ていたのではないかと。そして、必死に生きている野宿生活者の方々を理解してくださらないでしょうか。どうか、お願いします。

f:id:kurosakana:20190703193848p:plain

 まとめ

 今回はここまでとなります。いかがだったでしょうか。野宿生活者の方々の苦悩が、少しでも理解していただければなと思います。途中に書いた通り、私も野宿の経験があり、野宿生活はとてもつらかったです。そんな苦しい思いで生きている方々のことを、少しでも理解していただきたいです。それでは、長くなりましたがここまで読んでいただき、ありがとうございましたm(__)m